ハイボルト

ハイボルト（高電圧）という電気療法を耳にしたことはあるでしょうか？
ハイボルトは、比較的新しい電気療法となり多くの方の痛みの緩和に役立っています。

 

◆ハイボルトとは

ハイボルトとは正式には、「High Voltage Pulsed Curreny Therapy（高電圧パルス電流療法：HPCT）」といいます。
もともとはヨーロッパなどで、ケガの回復やスポーツ選手のコンディションの調整に使われていた機器となります。

さまざまな電気刺激のモードがあり、患者様一人ひとりの状態に合わせてモードを変更していきます。

◆特徴

・高圧の電気が深部まで届く

高圧の電気が、極めて短い時間に連続した出力を行うことで、皮膚抵抗が低く抑えられ、深部組織まで到達させることができます。
そのため、身体の深部の凝り固まった筋肉の緊張緩和と血行促進に期待ができます。

・神経の興奮を抑えることができる

痛みは神経を通して脳へ伝達されていきます。
その神経を圧力波よって一時的に遮断することで、神経の興奮を抑え痛みを感じにくくすることができます。

・施術中に痛みを感じにくい

皮膚を刺激しない周波数を使用しているため、ほとんど痛みを感じることなく施術をうけることができます。

・痛みの原因を探ることが可能

ハイボルトの電流に対するそれぞれの部位の反応を確認することで、痛めた箇所を調べることができると言われています。
また、ハイボルトは筋肉はもちろんのこと、末梢神経の状態をチェックすることにも使えることも大きな特徴です。

・身体の広範囲に施術が可能

ハイボルトは、首から肩や肘、腰や膝など、幅広く施術することが可能な機器です。
なお、症状によっては使用できない場合もあるため、必ず担当の施術者とご相談の上使用することが大切です。

・患部にピンポイントアプローチ

ハイボルトは、ピンポイントで痛みの箇所にヒットさせることが可能です。
ハイボルトの特殊な技術により圧力波を作り出し、体内に効果的に伝達させることができます。

以上がハイボルトの特徴として挙げられます。

ハイボルトの特徴を生かして、痛みや身体の不調の原因を除去していき、時間をかけて少しずつ細胞が再構築を繰り返すことで、最終的にはご自身が持っている自然治癒力を高めて回復を促すことが期待できます。

◆急性症状

ケガなどの急性症状では、炎症が起きて血行が悪くなります。
炎症により、痛み物質が停滞してしまうと、痛みによってさらに筋肉が固くなるという悪循環が生まれてしまいます。
ハイボルトは、高電圧の電流が筋肉を支配している太い神経線維に作用して、緊張した筋肉を緩和する効果が期待できます。
そのため、急性期のつらい痛みをブロックできると考えられています。

具体的に、次のようなつらい急性症状に効果が期待できます。

・突然、強い腰の痛みが起こるぎっくり腰
・朝起きて首が回らないなどの寝違え

ぎっくり腰や寝違えの初期症状の多くは、身体の動きが制限されますが、ハイボルトは寝たままの楽な姿勢で施術ができます。

◆慢性症状

ハイボルトは、損傷組織が奥深くに広がっている場合にも施術が可能なため、次のような慢性症状にも効果が期待できます。

・肩こり
・首こり
・四十肩・五十肩

また、肩の関節の深いところの組織に有効な超音波も併用する場合があり、組織の回復を早める効果が期待できます。

◆スポーツ傷害

ハイボルトは、損傷した軟部組織の修復機能が高いといわれています。
軟部組織とは筋肉や靱帯、腱といった組織などのことを指します。
ハイボルトによって、筋肉などの軟部組織の緊張を緩和することで柔軟性を取り戻し内部で起こっていた炎症の抑制につながります。
また、ケガなどで弱ってしまった関節まわりの筋肉などを効果的に鍛えることで、関節をしっかりと支えられるようになり、痛みの緩和につながります。
さらに、ハイボルトは筋ポンプ作用を促進することによって、全身の血液循環の改善を促すことができます。
血液循環が良くなることにより、全身に血液中の酸素と栄養を送りやすくなるため身体の回復も早くなります。

次のようなスポーツでの突然のケガなど起こりやすい症状に効果を発揮します。

・肉離れ
・捻挫
・打撲
・突き指

◆自律神経の乱れによる症状

自律神経は、昼間など動いているときに活発になる交感神経と、夜間や休息しているときに活発になる副交感神経の2種類があります。
この交感神経と副交感神経のバランスが、日常生活のストレスなどにより乱れることで身体や精神の不調を引き起こしやすくなります。
ハイボルトの電気刺激により、自律神経を支配する箇所に刺激を与えることで、乱れてしまった自律神経のバランスを整える作用があるといわれています。

そのため、次のような自律神経の乱れで起こりやすい症状に効果が期待できます。

・身体がだるい
・ストレスを感じる
・疲れがなかなか取れない
・夜寝つきが悪い

当院ではハイボルト（高電圧）を「鎮痛作用」「組織修復」「可動域確保」などさまざまな目的をもって活用しております。
症状に合わせて電気施術を行い、早期回復を目指します。

電気治療機もコンパクトなものが複数あり、衛生面にも注意し、粘着テープの交換、消毒を行っております。